桂麻剤はかぜの引きはじめに用いる薬として、1800年前に中国で開発されました。中医学では、かぜは風邪(ふうじゃ)や寒邪(かんじゃ)が体表から侵入することで発病し、抵抗力がある人は初期に悪寒、微熱、頭痛、首の凝りが生じるとされています。
桂麻剤に含まれる桂枝と麻黄の組み合わせには発汗作用があり、汗が蒸発することによって体温が奪われ解熱します。かぜが体表に留まっている間に桂麻剤で発汗させれば、風邪や寒邪も一緒に追い出されてかぜが治るというものです。
また引きはじめのかぜを太陽病といい、六病期の最初の時期に位置付け風寒と呼んでいます。辛温解表剤は風寒のかぜを温めた上、体表から追い出す効果を持つ薬なのです。