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白板症のがん化

口腔粘膜の白板症は、がん化する可能性のある前ガン病変です。白板症のがん化率は報告によって異なりますが5年間で1.2~18.0%ががん化し、10年では2.4~29.0%とがんになる確率が高くなるため、事前に切除してしまうという考え方もあります。ただし、多くのケースが白板症のまま変化しないため、全て切除してしまうのは過剰な治療だという意見もあります。

白板症にはがん化しやすいタイプとそうでないタイプがあるため、前者のタイプだけを切除してしまえばよいという考え方が現在の主流です。また白板症に対する治療方法として、凍結外科療法やレーザー照射と比べて、外科的切除術の方が再発率が低いといわれています。では、どのような白板症ががん化しやすいのでしょう。過去の報告から、幾つかのリスク要因が見えてきます。

男性で喫煙者

女性よりも男性の方がガン化しやすく、喫煙者の方が非喫煙者よりもがん化しやすい傾向があります。性別より喫煙の有無の比重の方が高いようです。

舌縁部に発生したもの

白板症は歯肉や舌粘膜、頬粘膜、口蓋粘膜、口唇粘膜、口底粘膜とあらゆる口腔粘膜に発生しますが、舌縁部に生じたものが明らかにがん化しやすいことが判明しています。

紅斑型、潰瘍型

白板症は口腔粘膜が白くなる病気ですが、その形態は幾つかの種類に分かれます。平坦型、波状型、ヒダ状型、疣贅型、結節型、潰瘍型の中で紅斑型、潰瘍型は他と比べてガン化しやすいと報告されています。

上皮性異形成

白板症を診断する際は病変部を切り取り、病理組織検査を行うことが確実な方法です。組織検査では粘膜の表層部分の粘膜上皮の構造も調べますが、構造に変化がなく正常なものや軽度の異常(異形成所見)が見られるものに比べ、異形成が高度なものほどがん化率が高くなります。

 

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