放射線治療や化学療法による副作用として、難治性の口腔粘膜炎が生じます。治療は困難ですが、半夏瀉心湯が効果的であると判明し、ガン治療の現場でよく用いられています。
口腔粘膜炎は抗ガン剤や放射線によるフリーラジカル(活性酸素)の発生がきっかけとなって生じます。粘膜や血管に障害が起こって炎症性サイトカインが遊離し、引き続いて潰瘍が形成され、細菌感染が続いて痛みが生じます。
半夏瀉心湯は半夏、黄芩、大棗、人参、甘草、乾姜、黄連で構成された半夏剤です。半夏瀉心湯に含まれる各生薬が口腔粘膜炎の各期で有効に働き、最終的に粘膜の再生や回復を助けます。
- フリーラジカルの消去作用
- ヒドロキシラジカル消去作用 大棗、乾姜、半夏
- ニトロキシルラジカル消去作用 黄連、黄芩
- スーパーオキシド消去作用 黄連、黄芩、甘草、乾姜
- 抗菌作用
- 抗菌作用 黄連、乾姜、半夏
- 抗菌ペプチド産生増加 黄芩、人参
- 抗炎症作用 黄連、乾姜、黄芩
- 鎮痛作用 乾姜、甘草