腎陽亢には竜骨牡蠣湯剤、腎陽虚には附子剤、腎陰虚には地黄丸類を用います。地黄丸類の基本方剤は六味丸ですが、陽虚による冷えが加わって腎陰陽両虚となると、八味地黄丸を用います。
地黄丸類の基本方剤である六味丸は宋代に著された『小児薬証直訣』に記載された処方で、六味地黄丸とも呼ばれています。構成生薬は地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮で、三補三瀉という三つの陰を同時に補し、三つの陰を同時に謝する働きがあります。
知柏地黄丸は知母、黄柏が清熟作用を有し、心の熱を取るため高血圧と動悸に有効です。枸苟地黄丸は枸杞子、菊花の明目作用により、目のかすみに有効です。また、麦味地黄丸は麦門冬、五味子の滋潤清肺作用により、陰虚による乾性の咳に対して効果的です