2015/3/5
相談: (45歳 男性)
根幹治療中から、痛みが続いて、根っこの中はきれいだからと最後の薬を入れました。でもまだ、痛みが続いてます。根幹治療中から、1ヶ月半痛みが続いてます。
歯医者さんの先生は、メンタル的な事で痛みが続いているねかもしれないねっいわれ、私もそう思った事があり、心療内科に行きました。レキソタンで余計に痛くなり、サインバルタでも余計に痛みました。薬を飲んで痛みが増事もあるのでしょうか?次はジプレキサを少ない量で処方されました。睡眠薬も飲んでいます。前にも質問しましたが、その歯だけでも非原因性歯痛なのでしょうか?慢性的な痛みになってしまったのでしょうか?よろしくお願いします。
回答:口腔内科 樋口均也
根管治療を継続していて痛みが続いているということですが、治療前から痛みはあったのでしょうか。また、根管治療を行うことになった理由は何でしょうか。むし歯が進行し、根管内や根尖周囲の歯根膜や歯槽骨に細菌感染を伴う炎症が生じている場合に、根管治療が必要となります。
根管治療を受けても痛みが治まらない原因には、さまざまなケースが想定されます。根管の形態が複雑な場合には、ファイルやリーマーといった根管治療用器具による根管拡大根管形成が難しく、歯根が破折したり根管の構造が破壊され、その部分の細菌感染巣を除去できない場合もあります。
また、根尖周囲の骨が溶けて大きな病巣ができていたり、歯根の外側にバイオフィルムという厚い細菌叢が付着していたりして、根管治療をしても炎症が治まらない場合もあります。
このように根管内外に問題がある場合には通常の根管治療に加えて、歯根端切除術、のう胞摘出術、意図的再植術などの手術が必要になります。それによって痛みが改善する可能性はあります。
むし歯が進行して歯の神経(歯髄)に感染が及ぶと、通常は神経を抜いて根管治療を行い炎症は治まるものです。ただし神経障害性疼痛は根管治療では治らず、抗うつ薬(サインバルタなど)による薬物療法が必要となります。
根管治療を始める前から痛みがあり、そもそも歯には問題がなかった可能性もあります。筋・筋膜痛、骨髄炎、上顎洞炎、疼痛性障害、頭蓋内の問題による痛み、本態性疼痛などである場合は、それぞれの痛みに対する治療が必要となります。