人と人とが関わり合うとき、相手の存在を認めて何らかの行動や働きかけを行うことをストロークといいます。人は誰もが「承認されたい」という欲求を持つため、ストロークを求めて生きているといっても過言ではありません。その代表例が赤ちゃんです。保護者からのストロークがないと生き延びることができないために、ストロークへの飢えがきっかけとなって人生脚本が作り出されていきます。
肯定的なストロークと否定的なストローク
相手を評価する場合の肯定的ストロークとは、ほめる、励ます、うなずく、認める、なでる、抱く、感謝するという行為です。一方、相手を批判する場合には怒る、叩く、叱るなどの否定的ストロークが生じます。子どもが成長する過程においては、肯定的ストロークと否定的ストロークの両方を周囲から受けることが必要であるとされています。
言語的なストロークと非言語的なストローク
人が感謝の気持ちを表す場合は「ありがとう」などの言葉を発する言語的ストロークに加え、笑顔やお辞儀などの非言語的ストロークを態度で示します。社交レベルの言語的ストロークの陰では言葉と裏腹の非言語的ストロークが潜んでいる場合もあり、「ありがとう」と発しつつも内心では「余計なことをしてくれたな」と思っているような場合には、笑顔まで歪んでいるものです。
条件付きのストロークと無条件のストローク
ある特定の行動に対して生まれるのが「条件付きのストローク」で、存在自体に対して生まれるのは「無条件のストローク」です。「あの歯医者で神経を抜いてもらったから歯の痛みがなくなった」というのは肯定的な条件付きのストロークで、「あの歯医者の腕は素晴らしい」というのが肯定的な無条件のストロークです。他に、否定的な条件付きのストロークと無条件のストロークもあります。