診断の最終的な決め手となる検査
頬粘膜が白い、舌粘膜にできものができた、口唇の粘膜下にぐりぐりがあるなど、ガンを心配して来院される患者さんが後を絶ちません。しかしながら、視診や触診を行ってもその正体を解明できるとは限りません。
ガンであるか否かの診断には、病変部の粘膜表面をこすって検体を採り、細胞診を行えばおよその見当がつきます。ただし、細胞診では確実な情報は得られないため、病変部分を切り取って病理組織検査を行うことになります。
当クリニックで実施する組織検査の中で、もっとも頻度が高いのがシェーグレン症候群の疑いのあるドライマウス症例に対する口唇生検です。Greenspanの分類でgrade3か4の場合にはシェーグレン症候群である可能性が高くなります。その他、白板症や扁平苔癬も病理組織検査を必要とする代表的な口腔粘膜病変です。
組織標本の作製
病理組織検査では切り取った組織をホルマリンに漬けた後、幾つかの断片に分割し、脱脂、脱水という手順を踏んだ後に溶かしたパラフィンに付けて固めます。
次に、パラフィン内に包埋された組織片をミクロトームという機械で薄くスライス(薄切)します。その標本をスライドガラスの上に乗せ、ヘマトキシリン・エオジン液で染色します(H-E染色)。骨や歯を含む標本の場合は、染色前に脱灰という手順も加わります。
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検査結果用紙 |
顕微鏡 |