2015/8/20
相談: (69歳 女性)
69歳の母のことで相談いたします。6年前に右視症脳出血発症。左片麻痺、要介護3、身長手帳2級1種で車椅子です。
ここ3~4年ほど、口腔内が粘つく、唾液が大量に出る、味覚がないと言い続けています。 かかりつけ内科医から紹介状を得て、関東労災病院の口腔外科を受診。ガムテストは異常なしでした。ベタベタの唾液が口の中に粘着し、呼吸ができない、声が出ないとの訴えが強くあります。
本人が納得する結論を探しております。
回答:口腔内科 樋口均也
口の中の症状について説明します。まず、口腔内の粘つきは交感神経が活発になって緊張状態が続くとき起こるものです。
ドライマウスにより唾液の分泌量が減るとネバネバしますが、何も異常がなくてもネバネバした感覚が生じる場合もあります。これは感覚の異常であるため、脳の働きに問題があります。
次に、唾液が大量に出るという問題について言及します。大量の唾液が出る場合もありますが、実際には唾液の分泌量が低下する唾液口嚥下障害がほとんどです。つまり、唾液が出過ぎているのではなく、唾液の嚥下障害が起こっているのです。
味覚の障害については、風邪やインフルエンザの感染後の他、薬の副作用、ドライマウス、亜鉛不足、脳腫瘍などの頭蓋内の問題でも生じます。
口腔内が粘つく、唾液が大量に出る、味覚がない3つの問題には共通してドライマウスが関連しています。一度、詳しい検査を受けられることをお勧めします。