口腔外科で最も多く行われているのが、親知らずの手術です。
正常に近い状態で生えているものや少し斜めになっている程度の歯は、通常
の抜歯と同じ方法でOKです。また、斜めに生えてい
て通常法での抜歯が困難なケースでも、歯茎を切った
り
歯を削ることなしに歯の頭と根の間を削って分けるだけで抜ける場合もあります。通常、上顎の親知らずは歯の奥に
厚い骨がないため抜きやすく、抜歯後の痛みもほとんどありません。
ところで、親知らずで最もポピュラーな手術が下顎水平埋伏智歯抜歯術です。この歯は下顎の親知らずで完全に横向き
で骨に埋まっており、いわば親知らずの王様ともいえる歯です。そしてそのほとんどが完全に萌出していない、またはできない状態のい
わゆる埋伏状態(あるいは半埋伏状態)であるため、歯肉を切ったり骨を削ったり、あるいは歯や歯の根を分割して抜歯を行うのが一般的です。
抜歯治療の流れ
- 初診日 診査・診断後、抜歯の予約
- 抜歯当日 手術の実施
- 抜歯の翌日 患部の消毒
- 最終日 抜糸を行い治療終了
下顎水平埋伏智歯の抜歯法
- まず歯肉を切開して骨からはがし、埋まっている歯をむき出しにします。
- 歯の一番膨らんでいるところ(最大膨隆部)が骨の中に埋まっている場合は、この部分が見える位置まで骨を削ります。
- 埋まっている歯の頭の部分(歯冠)と根っこの部分(歯根)を削り、分割します。
- 分割した歯冠部分を取り出し(歯冠抜去)、歯根が曲がったり肥大していたり、また骨と付着している場合には、歯根を削って分割します。
- 分割した歯根を取り出します(歯根抜去)。
- 切開した部分を縫合します。