口腔粘膜炎は以下に示すような順序で進行し、さまざまな治療の末に粘膜が再生・回復します。
開始期
抗がん剤や放射線によりフリーラジカル(活性酸素)が発生し、粘膜上皮基底細胞の障害を
誘導します。
シグナル伝達、シグナル増幅期
フリーラジカルが口腔粘膜細胞や血管に障害を与え、炎症性サイトカインが放出されます。唾液は口腔粘膜を保護しますが、その分泌量が低下します。
潰瘍形成期
上皮細胞が障害を受けて潰瘍を形成し、そこに病原菌が侵入して感染します。グラム陰性菌が持つリポ多糖(LPS)という内毒素は潰瘍、粘膜障害の増悪因子となります。
治癒期
上皮細胞が再生され、線維芽細胞が増殖し、潰瘍が再生して回復します。
Sonis, Stephen T. “A biological approach to mucositis.” J Support Oncol 2.1 (2004): 21-32.