2016/6/16
相談: (10代 男性)
最近、家族や友人に「滑舌が悪くなった。」と言われます。今まで気にしたこともありませんでしたが、喋る際の、舌が歯に当たる位置が気になりだしました。勝手な憶測ですが、例えばナ行の発音をする際は、本来ならば舌が前歯の裏側に当たると思います。しかし、私の場合、前歯の2本より左側の歯に当たってしまいます。
これは滑舌の良し悪しに関係があるのでしょうか?また、あった場合、原因は何であると考えられるでしょうか?努力で治せるものでしょうか?もしよろしければ、ぜひ、回答をいただきたい所存です。どうかよろしくお願いします。
回答:口腔内科 樋口均也
滑舌が悪くなったことから、前歯と舌との接触状態に問題がありそうだということですね。原因としては舌の動きや形態、歯並びや歯の形態のいずれかが疑われます。
舌の動きが悪くなっている場合は、舌の動きを司る舌下神経に異常が生じていると考えられ、原因は頭蓋内の腫瘍や脳卒中、ギランバレー症候群などの神経疾患が挙げられます。
一方、舌の形態に異常がある場合は舌神経の損傷、舌の腫瘍、肉芽腫、膿瘍、顔面半側肥大、顔面半側萎縮などの病気が原因として挙げられます。
また歯並びや歯の形態に異常がある場合は、舌癖や指しゃぶりなどの異常習慣やむし歯・歯周病による歯並びの乱れ、基底結節の左右差や基底結節、わい小歯、巨大歯などが原因として挙げられます。
実際には、このように明らかな異常は見当たらず、単に少し活舌が悪いというケースも多く見られます。その場合には滑舌をよくするトレーニングをされるとよいでしょう。