柴胡(さいこ)
セリ科のミシマサイコなどの根を乾燥させ、生薬にしたものです。写真は大阪薬科大学薬用植物園で栽培されていたミシマサイコです。
柴胡には消炎解熱作用があり、少陽病期の「寒熱往来」に用いられます。寒熱往来とは風邪やインフルエンザの初期を過ぎて悪寒と熱感、あるいは熱感のみが間歇的に生じる状態です。柴胡には鎮痛作用や鎮静作用もあり、精神的ストレスや自律神経失調状態にも有効です。脇腹の痛みや苦悶感(胸脇苦満)の有無が、柴胡を用いる指標となります。
柴胡を用いた方剤は柴胡剤、あるいは柴胡湯類といい、小柴胡湯が代表方剤となります。他に柴胡加竜骨牡、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、柴胡清肝湯、帰脾湯、加味帰脾湯、加味逍遙散、荊芥連翹湯、香蘇散、五積散、滋陰至宝湯、四逆散、炙甘草湯、小建中湯、神秘湯、大柴胡湯、竹筎温胆湯、当帰建中湯、補中益気湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、乙字湯、と多数あります。