ほとんど全てのケースで手術療法が中心になります。しかしながら、進行してしまったがんは手術だけで治すことは難しく、放射線治療や抗がん剤を使った化学療法を組み合わせた治療を行うことになります。また、初期のがんで手術後に重い後遺症が見られることはまずありませんが、進行がんの手術では切除する範囲が広くなるため、言葉や食事に影響が出て喋りにくくなったり食べにくくなる場合があります。さらに、下アゴの下部と後部、および頸部に沿ったリンパ節を摘出した場合には、どうしても顔の容貌が損なわれてしまうため、心理的に大きなダメージを受ける可能性があります。そのため、通常はご本人の身体の別の部分、例えば腕やおなかの皮膚などを使って手術で損傷した箇所を再建することにより、日常生活に与える影響を最小限に留めるよう配慮がなされます。