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痛み 

痛みを悪化させる要因には冷え、湿、血があります。それらの複数の要因が絡み合った場合もある他、腎虚も痛みを悪化させます。漢方薬は西洋薬の消炎鎮痛剤や麻薬のように痛みそのものを抑える力は強くありませんが、これらの悪化要因に対処することにより痛みをなくすことが可能です。

冷えによる痛み

冷えを改善する生薬には桂枝、麻黄、乾姜、附子などがあります。桂枝と麻黄が入った桂麻剤は肺や体表の冷えに対して効果的で、葛根湯や麻黄湯などと呼ばれ、麻黄の力で発汗させた後は桂枝湯でゆっくりと温めていきます。冷えに湿が加わっている場合は薏苡仁湯を、冷えに痺れが伴う場合は桂枝加朮附湯を用います。

乾姜は脾の冷えに対して有効で、苓姜朮甘湯を用いられています。附子は腎の冷えに効き、真附湯、四逆湯に用いられています。

湿による痛み

湿には張りがあって押してもすぐにへこみがなくなる実腫と、張りがなく押すとへこんだままの虚腫があります。実腫に対しては麻黄と石膏を用いた越婢加朮湯を、虚腫に対しては防已黄耆湯を用います。

血の問題による痛み

血虚や瘀血により痛みが生じます。血虚に対しては当帰芍薬散や当帰建中湯、疎経活血湯を用いますが、冷えが強い場合には大防風湯を用います。瘀血に対しては桂枝茯苓丸を長期間服用し、打撲による痛みで瘀血を伴う場合には通導散を用います。

腎虚による痛み

腎虚に対しては六味丸を用い、冷えがある場合には八味地黄丸を用います。

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