2016/9/30
相談: (20代 女性)
粘膜に白いのりができていて、明らかに性交した後に発症しました。3カ所歯医者に受診しましたが、矯正の跡と言われました。しかし、高校1年生の頃から22までの何もしてない「はじめから一度も性交してない」期間はなにもありませんでした。ところが、その後、行為があってから去年の夏に発症しました。
現在も矯正中です。上の歯に歯型みたいなのを夜寝る前につけて寝てます。後は数ヶ月で検診で矯正は終了するそうです。歯の手術も行いました。上の歯の肉を切ってパタンと閉じる手術です。後は、白いできものみたいなのもあります。見てもらったら、手術で切った後に上から肉ができた?みたいな事をいっていました。
回答:口腔内科 樋口均也
粘膜が白くなる原因は主に2つあります。ひとつは粘膜が厚くなることによって粘膜下の血管を流れる血液の色が透けて見えなくなる状態、もうひとつは粘膜の表面に白いものが付着している状態です。
粘膜はタバコや咬傷、白斑扁平苔癬、感染など何らかの刺激が加わると厚くなるため、矯正器具のこすれも該当するでしょう。また、粘膜に白い膜のようなものが付着する理由としては飲食物の他にカンジダ症があり、カンジダ菌というカビ(真菌)の感染により偽膜という白い膜が生じます。
さて、性病についてご心配されているようですが、HIV(エイズ)に感染すると口腔粘膜が白くなります。エイズを発症すると免疫力が低下してカンジダ症にかかりやすくなるため、エイズの初期症状としてカンジダ症が現れるケースも珍しくありません。
エイズを発症するとEBウィルスの増殖が生じ、毛状白板症が生じることもありますが、こちらは粘膜自体が白くなる病気です。エイズがご心配であれば、日本各所にあるHIV/エイズ診療拠点病院を受診されることをお勧めします。