中医学の弁証では不妊症の原因は冷え(寒証)、虚証、炎症(熱証)に大別できます。飲食物や生活習慣が原因となって子宮が冷えてしまうと、温かい場所を好む卵子が着床できないため、食生活などの改善とともに当帰四逆加呉茱萸生姜湯や温経湯で温めます。虚証で子宮の発育が悪い場合も妊娠できません。不妊症の治療に用いられるホルモン剤も子宮を弱くするため、四物湯や芎帰膠艾湯、十全大補湯、八味地黄丸などの補剤で虚を補います。また、卵巣嚢腫や卵管炎、子宮内膜症などの炎症性疾患も受精や着床を妨げて不妊の原因となることから、血府逐瘀湯や折衝散により清熱します。