病因
1. 六因致病
六因の邪、すなわち風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪(熱邪)が侵入して発症します。寒邪は月経不順、月経痛、帯下病、胎動不安、堕胎小産、産後発熱、産後痛の原因となります。熱邪は月経過多、崩漏、胎漏、胎動不安、産後発熱の原因となり、湿邪は帯下病、月経期の下痢、妊娠浮腫、陰痒、不妊の原因となります。
2. 七情内傷
七情、すなわち喜、怒、憂、思、悲、恐、驚が精神的な問題を引き起こし、ひいては婦人科の身体疾患に発展します。
3. 生活所傷
飲食の不摂生、過労、性交過多や多産、生殖器の外傷的損傷、体質要因が婦人科疾患を引き起こします。
病機(きっかけ)
1. 腎精損傷
大補元煎を用います。
2. 腎陰不足
左帰丸を用います。
3. 腎陽不足
右帰丸を用います。
4. 肝気鬱結
逍遥散、加味烏薬湯を用います。
5. 肝鬱化熱
加味逍遥散を用います。
6. 肝経湿熱
竜胆瀉肝湯を用います。
7. 肝血不足
四物湯と一貫煎を用います。
8. 脾虚化源不足
四君子湯、帰脾湯を用います。
9. 脾虚湿盛
白朮散、完帯湯を用います。
10. 中気不足
補中益気湯、帰脾湯を用います。
11. 気虚
四君子湯、帰脾湯を用います。
12. 気滞
膈下逐瘀湯、加味烏薬湯を用います。
13. 血虚
四物湯を用います。
14. 血瘀
生化湯、桃紅四物湯、失笑散を用います。
15. 血熱
両地湯、補陰煎を用います。
治法
1. 補腎気
六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸を用います。
2. 和脾胃
六君子湯、二陳湯を用います。
3. 疎肝気
四逆湯、小柴胡湯を用います。
4. 潤気血
十全大補湯を用います。