2017/8/7
相談: (50代 女性)
はじめまして。よろしくお願いいたします。左側の顔の腫れぼったいジーンとした感覚と左側全体の違和感について教えてください。
左上6番の約1年半に及ぶ根管治療が2か月前に終わりました。その時点で外側・下から押すと鈍痛がありました。現在もあります。ただ長期に渡る治療の弊害かもと言われ仮歯で2か月様子を見て自発痛もないので充填し銀の被せをして完了しました。
その後は調子もよく安心していたのですが1か月ほど経つと弱い自発痛がおきました。
ツーンというかシィーと吸い上げたくなるような下で押したくなるような感覚です(分かりずらくてすみません)
ほぼ同時に左下の5,6連結冠の歯肉にも痛みがでました。この歯は歯肉も薄くなり銀の部分も透けて見え、下の骨も溶けています。ズキンズキンではなく、ジーーーーーンズーーンといった熱いような痛みです。
その症状がでてから数日して左頬、目辺り、鼻の下、口の横。左側全体になるのでしょうか。がボンワリした腫れぼったく、時にピリピリした感覚があります。見た目は腫れていません。先日CTを撮ってもらったのですが、上顎洞炎はないとのこと。
こういった場合どのような事が考えられますでしょうか。CTで膿など判断できるのでしょうか。耳鼻科や神経内科の受診も考えた方がよいのでしょうか。また、膿が溜まって広がっていた場合、痛みや腫れは伴いますか?勝手に排膿されることはありますか?一度に色々症状がでており困惑し質問が分かりずらくなり申し訳ありません。
回答:口腔内科 樋口均也
左上6番の痛みがなぜ生じているのかを突き止める必要があります。根管治療に1年半前後もかかったということから、この歯の状態がよくないことが予想されます。
歯根が強く彎曲している場合は、根管内を開いて形成することが難しいため細菌感染による汚染を除去できず、痛みが残る可能性があります。また、歯根内部の根管が複雑に分岐したり合流したりしている場合も根管治療が大変難しくなります。歯根にヒビが入っていると根管治療をしても治りません。
左上6番の痛みが根管や根管周囲組織の問題ではない可能性もあります。その一つである神経障害性疼痛は、抜髄などで神経が損傷された後に生じる痛みで、どんなに歯の治療をしても治癒しません。
また、神経障害性疼痛が長期化すると中枢感作が生じて痛みが周囲組織に拡大するため、さらに治療は困難となり、下顎の歯が痛くなる場合もあります。神経障害性疼痛に対しては三環系抗うつ薬のトリプタノールや抗けいれん薬のリリカの内服が効果的です。
歯に問題がないにもかかわらず歯が痛む原因としては、他に食いしばりや歯ぎしりによる筋・筋膜痛、疼痛性障害、三叉神経痛の前駆症状、ヘルペスウイルスによる疼痛などがあります。