気が上がることを気逆といい、気が下がることを気陥といいます。これは中気下陥の略で、脾気下陥ともいわれます。気が上昇して内臓を引き上げる働きを昇挙作用といいますが、気陥とは気虚で昇挙作用が低下した状態を表します。
結果として胃下垂、眼瞼下垂、子宮脱、脱肛、腎下垂を引き起こし、起立性調節障害やうつ病による起床障害(朝起きられない状態)の原因となります。また朝起き上がれない状態、脘腹脹墜、下痢(泄瀉)、めまいが生じます。舌質は淡胖で脈は細緩無力となります。
気陥に対しては、升麻を含む方剤である補中益気湯や乙字湯を用います。