やる気がない、元気がない、疲れやすいといった体の働きが低下した状態を気虚といいます。気の不足を表し、先天の気の不足、飲食物の不足、心身の過労、房事の不摂生、大病や久病により生じます。
気虚の症状は顔色が蒼白い、声に力がない、やる気がない、元気がない、倦怠感、手足に力が入らない、めまい、自汗、風邪をひきやすいなどです。舌は淡白で、脈は無力となります。
臓腑ごとに気虚を分けると、肺気虚、心気虚、脾気虚、腎気虚に分かれます。肺気虚は風邪をひきやすく、心気虚は動悸、脾気虚は食欲不振、腎気虚では尿漏れが生じます。
気虚に対する治方には、人参、黄耆、白朮、茯苓、甘草などの補気剤を用い、方剤としては補中益気湯、四君子湯、人参養栄湯、十全大補湯を処方します。