中医学では消化機能に異常が生じることで口臭が発生すると考えられています。口臭は以下の4弁証に分類できます。
脾陰虚
脾気虚による機能低下に口腔粘膜や咽頭粘膜の乾燥が加わり、口臭が生じます。健脾補陰のため、参苓白朮散を用います。
脾胃湿熱
湿熱の邪気により脾胃が障害され、口腔・咽頭に炎症が及び、口臭が生じます。清熱利湿のため、茵蔯蒿湯や茵蔯五苓散を用います。
胃気上逆、胃失和降
胃気が上に上がってしまう状態で、食べ過ぎやストレスから生じます。ゲップや悪心、胸のつかえが生じ、口臭が生じます。和胃降逆のため、半夏瀉心湯を用います。
脾気下陥(中気下陥、気陥)
脾気虚や脾陽虚が悪化して脾の「昇清」機能が失調した状態です。昇清作用とは飲食物から取り込んだ気を肺に送る働きで、消化機能の一つと捉えられています。この働きが失調すると消化機能が損なわれ、その一症状として口臭が生じます。健脾補中、昇陽益気のため、補中益気湯を用います。