腎と脾の機能が低下すると、陽気が不足する陽虚と陰液が不足する陰虚の両方の症状が同時に現れます。このような状態を陰陽両虚といい、手足が冷えて寒さを嫌い(畏寒肢冷)、疲れて力がなく(倦怠乏力)、多汗で寝汗(盗汗)が出て、午後の潮熱や五心煩熱が生じます。舌質は胖嫩で脈は細数無力となります。 陰陽両虚に対しては、腎虚に対する方剤である六味丸か八味地黄丸を用います。腎陰虚が比較的強い場合は六味丸、腎陽虚が強い場合は八味地黄丸、同程度に虚している場合は両方剤を同時に用います。