小麦、大棗、甘草。いずれも食品から成る方剤です。従来から子供の夜泣きや疳の虫として用いられてきた方剤ですが、現在ではヒステリーやパニック障害、統合失調症にも用いられています。狐憑きといわれたこれらの症状も、甘麦大棗湯を数日間内服すると回復します。
患者さんはこの状態を振り返り、「自分でも自分をどう扱えばよいかわからなかった」といいますが、服用後は「人生が変わった」と感じるそうです。
腹診を行うと腹直筋の抵抗があるにもかかわらず、上腹部を圧迫すると何の抵抗もなく手が吸い込まれるように沈んでいきます。これを「羽毛腹」といいます。