2018年6月17日
相談: (20歳 男性)
1週間前から、唇の内側、舌がピリピリ痛みます。苦味もありました。耳鼻科を受診すると、睡眠不足では、と言われ、ビタメジン配合B25を出され、飲んでいますが、変わりません。
口腔外科を受診したほうがいいですか?口内炎などは無く、睡眠時間も七時間ほどとれています。カンジタキンではないかと思うのですが。
回答:口腔内科 樋口均也
口腔粘膜が痛む理由のひとつである口腔カンジダ症は、カンジダ菌というカビ(真菌)が増殖して粘膜が炎症を起こし痛みが出る病気です。お話の内容から、カンジダ菌を調べる検査を受けられることをお勧めします。カンジダ菌は口腔粘膜が乾燥している状態、すなわちドライマウスの際に合併しやすくなるため、まずは粘膜の湿潤度や唾液分泌量を調べてドライマウスの有無を確認する必要があります。
ドライマウス自体が粘膜の痛みにつながる場合もあります。唾液には粘膜を保護する働きや殺菌作用、味覚を伝える働きがあるため、唾液量が減って口が乾くと粘膜が傷つき、細菌感染による炎症で痛んだり味覚が変化したりします。
とりわけ亜鉛不足が粘膜の痛みや味覚の変化を助長するため、血液検査で結成亜鉛量を調べましょう。亜鉛不足に対しては、ノベルジンという薬の内服が効果的です。
また、上記のような異常がないにもかかわらず舌や口腔粘膜が痛む場合は、舌痛症が疑われます。舌痛症は粘膜ではなく神経の異常によるため、三環系抗うつ薬や漢方薬の服用により改善が期待できます。