生薬には産地や品質、収穫時期などにより品質の良しあしが生じますが、大地の恵みを最大限に生かした高品質のものを使う「地道薬材」という概念が基本にあります。
葛根
葛根湯でお馴染みの葛根は、クズの根を乾燥させて生薬にしたものです。日本で使用されている生薬としての葛根はサイコロ状に細かく切り刻まれ、「小角葛根」と呼ばれますが、中国や台湾では平らで大きな「板葛根」が上質で治療効果が高いとされています。
人参
朝鮮人参が最も高級とされ、オタネニンジンがそれに次ぎ、竹節人参も可とされています。
白朮
オケラの根茎を乾燥させて生薬にしたものです。中国では日本より大型のオオバナオケラが用いられ、より上質であるとされています。
厚朴
日本産の厚朴を和厚朴といい、中国産を唐厚朴といいます。唐厚朴は香りが強く、利気作用に優れ上質とされる一方、和厚朴は理気作用が弱く利水作用が強いといわれています。
当帰
中国の当帰は唐当帰といいます。これに対して日本に自生するオオブカトウキ、ヤマトトウキは品質が良く、北海道で大量に栽培されている北海当帰は質が低いとされています。
柴胡
日本に自生していた三島柴胡は最高級品と評価されていましたが、野生のものは採れなくなり、現在は稙柴胡、北柴胡、栽培した三島柴胡、津柴胡などが使用されています。