ヤシ科の檳榔の種子を生薬としたものです。東南アジアや南アジアの国々では檳榔子をコショウ科のキンマの葉でくるみ、石灰を混ぜて嗜好品として噛む習慣があります。檳榔子に含まれるアルカロイドの働きによりハイな気分になったり、ほろ酔い気分になったりしますが、檳榔子には高い発癌性があり、咽頭がんや口腔がんを引き起こすリスク因子でもあります。
檳榔子には抗菌、駆虫、収斂、理気、利水、健胃作用があり、単独では寄生虫の排除に用いられます。また、気滞や水滞に対しても効果的です。檳榔子は九味檳榔子湯、女神散、五磨飲子などに使用されます。