当帰、芍薬、川芎、白朮、茯苓、沢瀉から構成された当帰芍薬散は当帰、芍薬、川芎を含む四物湯と白朮、茯苓、沢瀉を含む五苓散を合わせたような方剤です。したがって、血虚と水滞が合併した病態に対して用いられます。
四物湯は当帰、芍薬、川芎、地黄の4剤から構成されていますが、地黄は滋潤性が強いため胃内停水がある場合には用いにくい生薬です。また、地黄により胃もたれする体質の人も少なくありません。このような場合に用いる補血剤の代表格が当帰芍薬散です。
当帰芍薬散は古くから安胎薬として用いられています。安胎薬とは妊婦が流産を防ぎ、安産にするための薬です。生まれてくる子も元気で、産後の肥立ちも良くなるとされています。