肢体筋脈が弛緩し無力化する病気を痿証といいます。長期化すると筋委縮も生じ、ギランバレー症候群や運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症など)、重症筋無力症、周期性四肢麻痺などがこれに該当します。弁証は以下の5種となります。
肺熱津傷
温熱の毒邪により、肺が焦がされて津液が全身に行き渡らなくなります。その結果、五臓・筋脈が潤いを失くします。
湿熱侵淫
湿熱の邪が経絡に侵淫して気血が廻らなくなり、筋脈の栄養が不足します。
脾胃虚弱
脾胃の気血の生成が不足すると筋脈の栄養が不足します。
肝腎虧虚
過労や房労により、肝腎が損傷されて精血が不足します。その結果、筋骨の栄養が不足します。
瘀血阻絡
外傷後や産後に瘀血が生じて経絡の流れが滞り、経絡に気が廻らなくなります。