子宮や卵巣など生殖器の生理機能は、衝脈と任脈に関連しています。「衝脈は血海であり、任脈は胞胎を主る」といわれ、衝脈と任脈が正常に機能することにより月経が正常に起こります。胞胎とは母胎内で胎児を包んでいる膜、すなわち「えな」を指します。
心血虚や肝血虚、腎虚により衝脈と任脈が空虚になると衝脈と任脈に寒邪が侵入し、気血が凝滞して胞絡(子宮上に分布している脈絡である衝脈と任脈など)が通じなくなります。子宮に古い瘀血が溜まって新しい血が通わなくなると、月経の度に下腹部痛が生じ、足腰の冷えや痛み、口腔乾燥、口唇乾燥、めまいが生じます。
衝任虚寒に対しては温経湯が用いられます。