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慢性皮膚粘膜カンジダ症

口腔カンジダ症の一症状として若年者に発症し、消化管、外性器、皮膚、爪などに症状が現れる特殊な病気を「慢性皮膚粘膜カンジダ症」といいます。細胞性免疫を担当するTリンパ球の一種であるTh17の機能に異常が生じることにより、皮膚や粘膜の疫力が低下してカンジダ菌が増殖する病気です。

口腔内と食道にカンジダ症の症状が現れ、1歳までに発症する場合が多く、甲状腺機能異常症、自己免疫疾患、頭蓋内動脈瘤を合併することもあります。カンジダ菌は発ガンに関連するN-ニトロソベンジルメチルアミンやアセトアルデヒドを産生するため、慢性皮膚粘膜カンジダ症患者は幼少期から長期間これらの発癌物質に暴露されて、口腔がんや食道がんを発症する可能性が高いと考えられます。

慢性皮膚粘膜カンジダ症の多くが原因不明ですが、原発性免疫不全症の一種であると考えられています。遺伝子解析の進歩により判明したのが、IL17F、IL17RA、STAT1、ACT1の異常で、これらはTh17の機能に関連する分子です。原発性免疫不全症には多数の病気があり、七つのグループに大別されますが、慢性皮膚粘膜カンジダ症は自然免疫異常のグループに分類されています。

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