当帰、柴胡、芍薬、甘草、白朮、茯苓、乾姜、薄荷の8味からなる逍遥散に牡丹皮、山梔子を加えたものが加味逍遙散です。逍遥散という名は、主訴が常に異なる(逍遥する)症例に用いられることから付けられました。
柴胡と薄荷には理気作用があり、全身の気を巡らせます。柴胡、芍薬、甘草は腹部の緊張や炎症を取り除きます。当帰と牡丹皮の駆瘀血作用と山梔子、薄荷の清熱作用により、肝熱によるのぼせやイライラを抑えます。さらに、利水作用がある白朮、茯苓で脾胃の湿を除きます。これらの生薬の働きにより疏肝解鬱、気血相補、補気健脾、調径、利水消腫の効果が期待できます。