調胃承気湯に含まれる甘草には大黄の働きを和らげて作用を調整する働きがあるため、瀉下作用が弱くなります。調胃承気湯から甘草を除き、枳実・厚朴を加えたものが大承気湯です。甘草を除くことにより瀉下作用が増強され、理気剤である枳実・厚朴が加わることで腹壁の緊張や膨満感を改善します。
大承気湯は便秘に対して用いられます。食あたりの際には下痢をさせ、消化管の感染によって停滞している毒素や外邪を体外に排出させるという使い方もあります。厚朴、枳実、大黄に抗うつ作用、鎮静作用、抗不安作用があることから、便秘型過敏性腸症候群、更年期障害、うつ病、統合失調症などの精神疾患や高血圧症、頭痛にも用いられます。