第22回日本歯科医学会総会において学会発表しました
2012年11月9日(金)から11日(日)までの3日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて第22回日本歯科医学会総会開催され院長が発表しました。
各種口腔内科疾患の証による分類
○樋口均也
関西支部 医療法人慶生会 ひぐち歯科クリニック(大阪府茨木市)
演者は中医学的な問診票を用い、専門的知識と経験を要する中医学的な診査、診断を簡素化している。そして、導かれた証に基づき漢方薬の方剤を決定している。この問診票を用いて、各種口腔内科疾患がどのような中医学的診断即ち「証」を示すかを調査した。
2005年から2012年までに医療法人慶生会ひぐち歯科クリニックを受診した各種口腔内科疾患者353名を調査対象とした。全患者にTAO東洋医学会作成の問診票を記入してもらい、記入された内容を点数化して証ごとの平均点を算出し、各患者の証を推定した。
- 各種口腔内科疾患の中では舌痛症が最も多く、ドライマウス、口内炎が次いだ。
- TAO問診票の記入内容を集計した結果、津液虚と心・小腸の証が最も多く、またその組み合わせである心・小腸 津液虚が最も多いことが判明した。
- ドライマウスでは津液虚の割合が特に多かった。口内炎では気虚や陽虚も多かった。口臭では気虚と脾・胃も多かった。
- 口腔内科疾患に対しては、心・小腸の津液虚の改善を治療目標とすることが有効であることが示唆された。これに加えて、疾患によっては気虚や脾・胃への対応も有効と考えられた。