私たちは「人生脚本」に従いながら、ことあるごとに短時間の「ミニ脚本」を演じています。そうして人生脚本のプロセスを強化していくのです。人生脚本の禁止令から身を守るため、私たちは「ドライバー」に従います。ドライバーは「駆り立てるもの」と訳され、「完全であれ」「喜ばせろ」「一生懸命やれ」「強くあれ」「急げ」の5つがあります。
ミニ脚本はドライバーから始まります。常に歯に問題がないかをチェックしている人がいます。その人にとって歯に問題がないということを確かめることこそが、「完全であれ」というドライバー行動なのです。
ドライバー行動を通じて「何を食べても大丈夫だ。歯が完全であれば」という「制止する立場」に移行することは、「私はOKでない、あなたはOKである」という人生の立場を反映しています。
歯に何か異常を見つけたと仮定しましょう。何を食べても大丈夫とはいえない立場となったとき、自分を責める代わりに他人を責める「非難する立場」に移行します。「小さい頃に親が甘いものを無制限に与えたから歯が弱くなったのだ」と親を恨んでしまうのは、「私はOKである、あなたはOKでない」という人生の立場を反映しています。
何も食べられなくなると「絶望する立場」に移行します。これは「私はOKでないし、あなたもOKでない」という人生の立場の反映で、この人の「ラケット感情」は「人生は無駄だ」という心情に合うものとなるでしょう。