2024年2月15日
相談： (55歳 女性)
気になり始めは1週間くらい前位から。口の中に砂でもあるのかと、ジャリっと噛む感じがありました。なんだろうと指に出すと、かなり細かい白い砂のようなものでした。その時は気にしていなかったのですが、3日ほど前に夕食後にまたジャリっと砂を噛むような感じがあったので洗面台にいき、歯をみると下の前歯の歯と歯茎の境あたりに細かい白い砂のようなものがいくつか付いていました。
元々くいしばりが強く、夜間にマウスピースを使っています。食いしばりで歯が砕けたのかと思い、口腔外科専門の歯科で診察を受けました。歯は異常なし。医師が耳下腺、顎下線の唾液の出かたを確認し唾液しか出ないので異常なし。
唾石症かもと外部機関で顎下線周辺CT検査をしましたが結果、石らしきものはなし。
医師から今は何もできることはない、と言われました。また口の中に砂が出てきたら持参するようにいわれました。ここ数日は砂のようなものは出てきていません。
生活の変化では、1ヶ月前からスポーツジムに通い始め、水泳とジムで体を鍛えています。
持病はコレステロールが高めで長年クレストールとエパデールを服用。最近、過活動膀胱でべオーバ50を服用しています。
細い砂のようなものが口の中に出ることがあるのか、原因は何だろうと思いご質問したいと思います。
回答：口腔内科 樋口均也
細かい砂のようなものが口の中に見られるとすれば、歯や詰め物が欠けた状態かもしれません。歯の治療中であれば、仮詰めのセメントの一部が剥がれ、砂のような感じになる場合もあるでしょう。既に検査を受けられたようですが、細かい唾石が次々に排泄され、口の中に出てくる可能性もゼロではありません。他に、米粒に混じった砂や根菜類に付着した砂の可能性も考えられます。
しかしながら、何も起こっていないという診察結果が歯科や口腔外科で出され、診察時にも細かい砂は確認されなかったようです。
上記の点を考慮すると、実際には存在しない細かい砂をあるように感じているだけなのかもしれません。このような感覚の異常を「口腔セネストパチー」と言います。
口の中の感覚を三叉神経で感じ取り、その情報を脳へ伝える経路のいずれかの段階で異常が生じた状態、言わば神経や脳の誤作動です。
同様に、口の中に異物があると訴える患者さんがしばしば来院されます。口の中で虫が走っている、口の粘膜から糸が出てくる、角が出てきて伸びていく、などの症状を訴えられますが、実際に診察してみるとそのような異物はどこにも見当たりません。
