慢性的な痛みを持つ人にとって「その痛みをどのようにしてコントロールするか」、言い換えると「どうやって痛みと上手に共存していくか」について考えることは、非常に重要なテーマです。従って、下記に紹介した方法を参考に、できるだけ本来の生活を取り戻すための方法を見つけましょう。
(1)痛みについて考える時間を減らす
わたしたちは何かに集中しているとき、痛みを感じにくいものです。従ってその「何か」を自分で見つけ出し、集中することによって痛みのことを忘れる時間を増やすようにします(コービング)。痛みについて考える時間を減らすということは、同時に脳の痛みの神経の過剰な活動を減らすことになります。こうすることで薬の効果が現れやすくなるばかりか、薬を全く使っていない人でも“痛みはあるけど気にならない”という状態をキープでき、やがては治療が不要となるケースも見られます。逆に言えば、しっかりと薬物療法を行っていたとしても、痛みについて考え続けることで薬の効果は半減してしまうのです。
(2)痛みがあっても落ち込まない
「この痛みに効く治療法などないのではないか」「本当に治るのか」などといった悲観的な思考は、痛みをさらに悪化させるだけでなく、痛みを克服しようという意欲まで奪ってしまいます。従って痛みがあっても考えすぎず、落ち込まないようにしましょう。
(3)1人でぼんやりする時間を作らない
ほとんどの人は、忙しいと痛みを感じにくくなります。一方、家にいて目的もなく漫然とテレビを見ているときや夜寝る前などは、痛みが強く感じられます。従って、何か集中できることや夢中になれるものを普段から意識的に作っておくとよいでしょう。