ウェアラブル筋電計
歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)について患者さんに尋ねるとき、最も多い答えが「わかりません」となります。就寝中のことは自分でもわからないのです。家族から指摘されていれば認識でき
ますが、一人暮らしでは不可能です。また、音を出さない睡眠時ブラキシズムの場合は、家族でも気づきにくいでしょう。もちろん、音なしでも歯や顎関節、筋肉に過度な負担がかかることは同様です。
2020年、上記の問題を解決する機械が保険適応となりました。ウェアラブル筋電計は、筋電図のように睡眠時に咬筋の筋活動を計測することができます。従来の筋電図は筋肉に張り付けた端子と機械本体がケーブルでつながった状態で稼動していたため、当然邪魔になって測定しにくいという問題点がありましたが、ウェアラブル筋電計にはケーブルがありません。咬筋に機械本体を張り付けてデータを記録するワイヤレスタイプなので、普段通りの筋活動が測定できるようになりました。
ウェアラブル筋電計の使用方法
- 測定器の裏面に専用の両面テープを貼付してください。
- 測定器の横の電源スイッチをONにし、3秒間隔で緑色に点滅することを確認してください。
- 保護カバーを本体に被せたら準備完了となります。スイッチをONにした時刻を記入してください。
- 張り付ける位置(頬のやや耳寄り)を確認し、装着部位をアルコール綿などで拭いた後、測定器を貼り付けてください。
- 装置貼付後、ぐっと1回噛みしめ、その後カチカチカチと3回噛み、もう一度ぐっと1回噛みしめてください。この動作が基本動作となります。解析時の目安となりますので正しく行いましょう。
- 就寝中に目が覚めてしまった場合でも装置はそのまま付けておき、余裕があれば起きた時刻を用紙に記入してください。
- 起床後はすぐに装置をはずし、電源を切ります。両面シールは剥がして破棄してください。
- できるだけ早めに装置を持ってご来院ください。