歯牙接触癖の改善
食いしばりをなくすために最も重要なことは、上下の歯を接触させないことです。上下の歯を接触させる癖を「歯牙接触癖」、英語では「Teeth ContactingHabit(TCH)」といい、強度のTCHが食いしばりです。困ったことに、TCH癖のある患者様のほとんどが「上下の歯が接触しているのは当たり前」と考えているようですが、まずこの認識自体が間違いであることを理解する必要があります。ただそれだけのことで、食いしばりから生じる様々な問題がすぐに解決するケースも少なくないのです。
食いしばりを防止するトレーニング
上下の歯を接触させてはいけない(=食いしばらない)ことがわかってはいても、つい食いしばってしまうという患者様もいらっしゃいます。そのような方は、食いしばりを防止するために毎日のトレーニングが必要となります。
トレーニングの第一歩は、まず上下の歯を強く噛みしめることから始まります。歯や歯肉、顎骨に強い力が加わることを実感できるはずです。また、噛みしめるときに使う頬の筋肉(咬筋)やこめかみの筋肉(側頭筋)が膨れて、ピクピク動くことも実感できるでしょう。
次に、上下の歯を1〜2mm離します。すると今度は歯、歯肉、顎骨にかかる力が消えたことが実感できるはずです。同時に咬筋や側頭筋の膨らみも消えて平坦になり、ピクピクとした動きもなくなったことでしょう。
このように上下の歯が離れると力が抜け、口の内外が全体的にリラックスした状態になって、これまで歯にピッタリと押し付けられていた口唇や舌、頬があまり当たらなくなるはずです。また、歯を離した途端に、歯や舌の痛みが消えることを実感できる場合もあります。
食いしばり防止トレーニングを成功させる方法
- 肩の力を抜いて筋肉をリラックスさせる
- 深呼吸する
- ストレスを軽減するよう物事の捉え方を変える、ライフスタイルを変える
- 好きなことに集中できる時間を持つ
- 上下の歯を接触させないことを紙に書き記し、目のとまる場所に貼っておく
- 首や肩をマッサージする
- 首や肩のストレッチを行う
- ツボの刺激、鍼、灸
- 漸進的筋弛緩法
- 自律訓練法
- 口呼吸を止め、口臭を治療する
- 認知行動療法