子供時代の歯医者像とは2
ところで、志望動機には他にもいくつかの要素がありますが、歯医者に対してよいイメージを持っていたこともそのひとつです。私の両親は会社を経営していましたが、家業に対してあまりよいイメージを持てない一方で、歯医者は痛みや苦しみから解放してくれるだけでなく、技術や知識や経験を必要とする特別な仕事であると思えました。この「技術や知識や経験が必要」という要素は、勉学に励む受験生にとって大きな意味があります。つまり、今取り組んでいる難題が歯医者になることによって活かされそうに思えたからです。端的にいうと歯医者は頭脳労働に属し、一生涯にわたって勉強が必要な仕事だと思ったのです。これは現状とぴったり一致しており、当時すでに理解していたことに対して感慨をおぼえます。
一方、家業となると頭の使い道がないように思え、受験勉強をしても無駄だと感じていました。後にこの考えの浅はかさを思い知らされましたが、それは歯科医として患者様と真剣に向き合うようになってからのことです。
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