2022年9月17日
相談1: (65歳 女性)
左上顎第3歯の件で相談いたします。2020年1月から3月にかけて歯根管治療を行いました。齲歯がかなりひどく歯を残すかどうか判断に迷うとのことでしたが残すこととなり根管治療後、土台と被せ物を行い終了しました。
しかし、根管治療終盤から第3歯の歯根端部と歯肉と歯肉縁の痛みが出現しました。CT検査を行ったところ歯根嚢胞(根尖性周囲炎?)を認めました。経過観察を勧められましたが2年たっても歯根嚢胞は変化なく、痛みも治らないため2022年4月専門医で歯根端切除術と逆根管充填術を受けました。2022年7月歯根嚢胞は縮小しており経過良好とのことでした。
歯根端部の痛みは消えましたが、歯肉と歯肉縁の痛みは続いています。歯肉の腫れや発赤はありません。歯肉の痛みは重たいような鈍痛です。歯肉縁は圧迫するとピリピリする痛みです。いずれの痛みもカロナールの内服やキシロカインゼリーの塗布で和らぎます。
1. 歯の土台や被せ物で歯肉の痛みが起きることはありますか?
2. 左上顎第3歯があまり残っていないためにこのような痛みが起きることはありますか?
3. 被せ物を外して再度治療を行うことは可能でしょうか?その際デメリットはありますか?
4. 最悪の場合抜歯となると思いますが、抜歯は歯根嚢胞が消失してからの方が良いのでしょうか?
5. 先生の相談コーナーで「非定型歯痛」について記載がありましたが、私の痛みは非定型歯痛の可能性はありますか?
回答1:口腔内科 樋口均也
左上顎第3歯とは左上犬歯のようですが、原因不明の歯肉と歯肉縁の痛みが続いているということですね。それでも原因を見つけようとするのであれば、一度かぶせものを外して根の中の状態を確認するか、歯肉を切開・剥離して外側から歯の状態を確認するかのいずれかの方法が必要になります。一方、原因の究明は諦めて薬物療法を進めていくのも一案です。