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亜鉛欠乏症

夏など気温の高い時期に汗をかくと、体内の亜鉛が汗とともに流れ出して亜鉛不足が生じやすくなります。亜鉛不足は味覚障害の主な原因であり、他にも舌痛症やアフタ性口内炎、口角炎、萎縮性舌炎、扁平苔癬、ドライマウス、食欲不振、脱毛、成長障害、生理不順、貧血、易疲労感、イライラなどのさまざまな症状を引き起こします。また骨粗鬆症、認知症、脂質異常症の治療薬の中には、副作用として亜鉛不足を引き起こすものがあるので注意が必要です。

亜鉛が欠乏すると、口腔粘膜に多様な変化が生じることがラットを用いた実験で確認されています。舌の味蕾細胞の入れ替わりの遅れ,軟口蓋の味覚乳頭の減少と扁平化,味孔内の微絨毛の消失などがこれに該当し、深刻な味覚障害につながると考えられています。他にも知覚神経の変化、情緒障害、炎症の増長、免疫機能不全、創傷の治癒遅延、上皮バリア機能の障害なども亜鉛の不足によって生じるとされています。

亜鉛は体内で生産できないため、食事からの摂取が不可欠です。カキ(牡蠣)、レバー、蕎麦、牛乳、煮干し、各種の野菜にも含まれていますが、加熱処理された加工食品は含有量が少ないため避けた方がよいでしょう。

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