口腔粘膜炎1
口腔粘膜炎 ORAL MUCOSITIS
ガンは一般的に手術、放射線治療、化学療法のいずれか、もしくはその組み合わせにより治療を行います。手術で患部を切除するとその部分が欠損し、後遺症として形態や機能に大きな問題が生じますが、放射線治療や化学療法ではこのような問題を避けることができます。ただし、放射線治療や化学療法には多くの副作用が伴います。
放射線治療や化学療法による副作用で、比較的多く出現するのが口内炎です。健康な人に生じるアフタ性口内炎はそのまま放置しても2週間で自然に消失しますが、放射線治療や化学療法による口内炎は難治性で痛みが強く、ガン治療の妨げになるほどです。そのため、通常の口内炎と区別して「口腔粘膜炎」と呼ばれています。
口腔粘膜炎は口腔ガンに対する放射線治療や化学療法でほぼ全例に見られ、重症化すると痛みのために飲食が困難となり、栄養状態が悪化します。同時に抵抗力や免疫力も低下し、ガン治療を予定通り進めることが難しくなります。