小さな円形の潰瘍が繰り返し発生する「アフタ性口内炎」は、多くの人が一度は経験するものです。しかし、中には「ベーチェット病」という全身病の一症状であるケースもふくまれるため油断は禁物です。ベーチェット病の四つの主症状は以下の通りです。
- 再発性アフタ
- 眼症状(虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎)
- 皮膚症状(結節性紅斑、毛嚢炎様皮疹、皮下の血栓性静脈炎)
- 外陰部潰瘍
他に次のような症状もあります。
- 関節炎
- 消化器症状(腸管潰瘍)
- 血管病変(深部静脈血栓症、動脈瘤)
- 副睾丸炎
- 中枢神経病変(認知症、脳炎)
ベーチェット病はその多くが口内炎を初発症状としますが、時には眼症状が進行して失明するケースもあるため、単なる口内炎と軽視せず注意を払う必要があります。また、ベーチェット病は男女比に差がない反面、男性が罹患すると重症化しやすい傾向にあります。今のところはっきりとした原因は不明ですが、遺伝的な性質に虫歯菌などの細菌感染が加わることにより発症する可能性が示唆されています。治療法はステロイド剤に加え、各臓器の症状に応じた個別の対症療法を行います。
ベーチェット病の治療法
全身投与
- ステロイド
- コルヒチン(白血球、好中球の作用を阻止)
- レパミド(抗潰瘍薬)
- ペニシリン(抗生物質)
- インフリキシマブ(抗TNF-α阻害薬)
局所投与
- ステロイド
- アズレンスルホン酸
- ホスホジルエステラーゼ4インヒビター
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