無垢の時代
19世紀後半のオールドニューヨークの上流社会を描いています。オールドニューヨーカーは家名を重んじ、芸術を軽視する質実剛健で大変退屈な人々です。そのような社会がアメリカ式資本主義の発達やゴールドラッシュによって急速に変わっていき、失われていきます。そのような時代を描いていて社会学的な勉強になりますが、かなり退屈な小説です。と思って読み進んでいくと、終盤で『カサブランカ』のハンフリー・ボガードやイングリッド・バーグマンのような切ないロマンスに覆いつくされる、かなり出来のよい作品でした。