好きな外国人

「日本人、中国人、韓国人、アメリカ人、ロシア人の中でモンゴル人が好きなのはどこの国の人ですか?」とラクチャさんに尋ねてみました。 すると、「モンゴル人はロシア人が一番好きです」と即答です。「モンゴルが清国から独立するとき、ロシア人が助けてくれた」「ノモンハン事件のときも、日本軍の侵略をソ連軍が防いでくれた」というのがその理由です。
確かにモンゴルではロシア人らしき白人をよく見かけます。ロシアを支配したことはあっても支配されたことはないモンゴル人にとって、ロシアは気前がよく頼れる友人なのでしょう。ただし、「タタールのくびき」に悩まされたロシア人が、モンゴル人をどのように見ているかは気になるところです。
中国人はというと、モンゴルでは嫌われ者です。「いろいろと悪いことをするから」だそうです。商魂たくましき中国商人が、あこぎな商売でモンゴル人を騙しているのでしょうか。それとも、中国政府が国家レベルでモンゴルの経済や 政治体制をコントロールしようとしているのでしょうか
中国内の内モンゴル人についても尋ねてみると、内モンゴル人は中国の考えに染まっていて、外モンゴル人とは考えが合わないそうです。外モンゴル人の目から見ると、「モンゴル語を話す中国人」と映っているようです。内モンゴル人は外モンゴル人と結婚したがるが、逆に外モンゴル人は内モンゴル人とは結婚したくないそうです。
また、日本人を嫌う老人が一定数いるようです。ノモンハン事件で戦死したモンゴル兵の遺族がたくさんいて、日本を非難するのです。一方で、若い人達は日本に対してよいイメージを持っており、韓国や台湾の状況に似ているとも思いました。
ところで、韓国はロシアに次ぐ2番人気です。韓国はビザが取りやすく、留学したり働いたりするモンゴル人が多数いることに加え、モンゴルへの投資や経済進出も盛んなため、韓国系企業で働くモンゴル人もたくさんいるようです。こんな状況なので、モンゴルには中国のものに次いで韓国の商品が溢れ、ハングルの看板もときどき見掛けました。
どこの国を旅してもアメリカ文化の影響を強く感じるものですが、 この国は例外で、アメリカ人については印象が薄いようです。ただし、30歳以下の若年層は英語を学習しているため、 音楽や映画をはじめとするアメリカ文化は、やはりここでも健在のようです。

ブルースカイのラウンジで演奏していたロシア人バンド。歌詞は全て英語で歌っていた。

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