群発頭痛とは、一度痛みが起こり始めると1〜2ヶ月間毎日のように、かつ決まった時間に1〜2時間にわたって続く頭痛をいいます。その期間が過ぎれば、1〜2年間は痛みから解放されて平穏な生活をおくることができますが、困ったことにまた同じような頭痛が発症するのです。個人差はあるものの、よく見られるケースではたとえば春先や秋口などの季節の変わり目に始まり、一定の期間(2週間〜2ヶ月間)は毎日痛みが続き(群発期)、半年から2〜3年経過後にまた同様の痛みに悩まされるというものです。従って、群発地震のようにある期間に集中して頭痛が起こることから、群発頭痛と名付けられました。しかしながら、群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)と比べると認知度が低く、あまり知られていないため、専門医以外では片頭痛と誤って診断されるケースが珍しくありません。
また、女性に多い片頭痛とは対照的に群発頭痛は20〜40歳代の男性に発症しやすく、患者数は女性の4〜5倍ともいわれています。症状としては、まずどちらか片方の目の奥や周囲にあらわれ、痛みが上アゴや頭の片側へと広がっていきますが、涙や鼻水、鼻詰まり、結膜の充血やまぶたのむくみを伴う場合もあります。また、群発頭痛で特筆すべき点はその激しい痛み方です。経験者の間では「直接死に至ることはないが生き地獄のような激痛を伴う頭痛」といわれ、通常は1日に1〜2回、1回の痛みは十数分から1時間続きますが、中には数時間に及ぶケースもあります。発症しやすい時間帯は明け方で、強い痛みのために目が覚めます。加えて、いつも頭の同じ側に痛みが起こりますが、まれに反対側に移動したり、両側が痛む場合もあります。
残念なことに、群発頭痛が起こる原因ははっきりしていませんが、アルコールで誘発されやすいことから、頭部の血管の拡張が何らかの形で関わっているといわれています。たとえば目の奥に痛みを感じるのは、目の後方を通っている血管が拡張して炎症を引き起こすためであるということです。
前述のように、片頭痛や緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)と比べると群発頭痛は広く知られていないため、一般の医療機関では片頭痛と誤って診断されるケースが多く見られます。従って、上記のような群発頭痛に特有の症状がある場合は、専門医のいる脳神経外科やペインクリニックを受診しましょう。
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