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「クリニックの移転を終えて」

歯科用顕微鏡

脳外科や心臓外科の手術では細かい神経や血管をつなぐことがありますが、当然肉眼下では難しいため手術用の顕微鏡が不可欠です。口腔外科の手術も同様で、手術用顕微鏡を用いて血管や神経を縫い合わせます。例えば舌癌で舌の切除後に腹直筋を移植して舌を再建する場合は、腹直歯科用顕微鏡筋に血液を供給する血管である深下腹壁動静脈も腹直筋と一緒に採取し、これらの血管を顔面動脈、上甲状腺動脈、外頚静脈、前頚静脈などと顕微鏡で見ながらつなぎ合わせていきます。こうして血管をつないで移植した大頬筋に血液が供給され、壊死することなく生着することになるのです。

21世紀に入ると、このような顕微鏡治療が歯の治療でも行われるようになってきました。虫歯が進行して歯の神経が虫歯菌に侵されると神経(歯髄)を抜く必要に迫られますが、歯髄が通る管(歯髄腔)はとても細く、肉眼ではその内部をのぞき見ることができません。従来はよじれた針のような専用の器具を用いて手探りで神経を抜き、歯髄腔を拡大、形成してきました。ところが顕微鏡を用いるとこれらの作業を目で確認しながらできるため、より精密に行うことが可能になるのです。

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