「クリニックの移転を終えて」
移転へ向けて
経営セミナーで歯科用CTや顕微鏡が急速に普及していると知り、時代に取り残される危機感を抱いていた当時、これらの最新機器の登場は夢のようでした。従来では治療が困難で抜歯を余儀なくされた歯が治せるのです。しかし、歯科用CTと顕微鏡を導入するには医院を移転するしかありません。
イワサキフェスタ以来、理想と現実との闘いが始まりました。2005年の開業時には歯科用チェア2台、スタッフ3名でしたが、5台と13名に増え、診療器材の種類や量も年々増加していました。小さな機械1台の置き場所にも困るような状況だったのです。CTを設置するには、放射線が外部に漏れないように鉛の壁で囲まれた撮影室が必要になりますが、そんなスペースはどこにもありません。歯科用顕微鏡もまた然りです。
確かにスペースには限りがある。しかし、何としても歯科用CTと顕微鏡を医院に導入したい。治せなかった歯が治せるのだ。今、まさに歯科医療が次のステージへ進もうとしているという実感が湧き上がりました。物理的限界を乗り越えて、未来への回転扉を開くときがやって来たのです。