「勇気の赤い勲章」

読書・趣味・家庭 2021年03月24日

山登りでも探検でもそうですが、どんなに危険な状況に陥ったとしても、リーダーやメンバーは生きて帰ることを意識しています。登頂や踏破などは目の前の大きな目標ですが、生還と天秤にかけてその都度判断を繰り返します。
生還が常に意識されるということが、戦場においてはなくなると思います。指揮官としては、生還と目標達成(端的に言えば敵を殺すこと)を天秤にかけることは難しいと思います。生還を意識した言動や行動は「弱虫」「卑怯者」とレッテルを張られます。自己や自部隊の生還は他者や他部隊の犠牲につながる可能性が高くなるからです。したがって、敵を殺して目標達成するためには、生還を意識せずに戦うことが前提となると思います。
自らの命を顧みずに戦うことを、指揮官は部下に対してどのように促すことができるのでしょうか。兵士はどのような気持ちで指揮官の命令に従い、敵に立ち向かうのでしょうか。そのような心境がよくわかる気になれる戦争小説です。

「勇気の赤い勲章」