『越境』
メキシコ国境に隣接するニューメキシコ州の牧場を出発点としてアメリカとメキシコを行ったり来たりする小説です。メキシコ革命を扱った『権力と栄光』の次に読んだ小説ですが、こちらでもメキシコ革命が描かれています。
1940年代前半の時代設定ですが、この頃はパスポートを持っていなくても国境通過が許可が許可されたようです。ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニアでも人々の会話のほとんどがスペイン語です。旅に終始する小説ですが、宿に泊まることはなく、野宿が基本です。雪山や嵐の中でも着のみ着のまま地面で寝ます。このような旅人を自分の家に泊めたり、食事を与えたりする人も少なくありません。